“夫婦の話し”

私は結婚して32年になります。思い出すのが難しいほど色々なことがありました。“何の為に生まれて生きているのか?”が分からなかった時代は本当に沢山の迷惑をかけて来たと思います。

夫婦のことは他人には分からない、夫婦にさえ分からない部分があります。一見とても仲が良い夫婦でも本当にそうなのか?も分からないです。良い夫婦のふりをするのは結構簡単です。また、“これが夫婦というものだから、こうならなきゃだめなんだ。”と必死になってる人たちもいます。結婚したら自分の理想と違って悩んでる人たちもいます。お金持ちだから結婚した人達もいるでしょう。ここで一つ一つの事を書いていてはキリがないので、私達夫婦の事を少し書こうと思います。

私が夫との結婚を決めた大きな理由は“私の信じているものと彼の信じているものが同じ”だと観じたからです。初めてのデートの時に色々な話しをしたと思いますが、その中で一番覚えているのは奥深い部分で同じ信念を持っていたことでした。具体的にどんな話をしたかは覚えていませんが、他の人にはなかった“深いもの”を彼の中に観じました。

そして今言えることはこの“深い部分”は本当にそうだったと言う事です。夫婦だから何もかもさらけ出してもいいと言うことはありません。だからと言って遠慮するのも違います。ではどうすれば“真の夫婦”になれるのでしょうか?

これは本当に相手を受け入れる事と自分が変わる事以外にはないと思います。それと相手にちゃんと伝えられる事が大事です。主人はアメリカ人なので日本人とは違う部分が沢山あります。日本人の私はストレートに“言う”ことに慣れていませんでした。なので主人に伝える事より自分の中で我慢していました。ある時私の我慢している事を伝えると“なぜもっと早く言ってくれなかったの?”と言われました。そして何か問題があれば言葉で伝えて欲しいと言われました。日本人の私は言葉で伝えなくてもわかって当然というのがありました。主人に言われて初めて彼にとっては“言葉で伝える”ことが大切なのだということがわかりました。それで我慢の限界がくる大分前に私の気持ちを伝えることにしました。すると今まで私が抱えて来たものは何だったんだろう?主人に伝えることで私も軽くなるし、まず主人が私の悩みが明確にわかるようになり、事が大きくならない前にお互いを理解し問題点を直すことができるようになりました。

日本人の夫婦とアメリカ人の夫婦の私の観じる大きな違いがあります。日本人夫婦の場合は奥さんが旦那さんの母親の役割を大いにしているということ。アメリカ人夫婦はそれがありません。この2つの違いを見ます。私はアメリカに長いので母親をやっている日本の奥さんをみると少し違和感を感じます。ここまでする必要があるのかな?って。でもそれが悪いわけではありません。またアメリカ人の夫婦の場合は極端に奥さんの母性本能のなさを見ます。これも全然悪いことでもありません。

私が結婚した当初は主人に朝食を作ってあげて、仕事に出さなきゃって思ってました。これは主婦の大事な仕事の一つだって。ところが主人は朝食はいらないって言うんですよ。いつも仕事に行く途中でオレンジジュースとベーグルを買って食べているからいらないって。折角主婦の仕事が始められるのにとちょっとショックでした。でも私はもともとあんまりこだわらない正確なので“了解”で終わりました。もし私がお母さんをやりたかったらそれでも早起きして野菜ジュースや体に良いものを食べて仕事に行ってもらってたかもしれません。

夫婦には色々な学びがあります。どうしてもうまく行かずに離婚だってあります。これだって結婚と離婚を体験する必要があったからだと思います。なので離婚が悪いわけではありません。また、結婚をしない人生だってあります。またアメリカでは同性者の結婚も全然ありです。

私は主人で良かったと今になってとても感謝しています。日々の問題がいくらあっても、何か起こった時に“これでいこう!”という答えがいつも一緒です。たまに一緒でない時は私か主人のどちらかの意見をお互いに尊重できる関係にあります。だからいざという時の行動が心の深い部分から同じにやってきます。

私が生まれて生きることの意味を知ってからは自分をかえることに専念しました。その前は主人にこうなって欲しい、ああなって欲しいが沢山ありました。でもそれって自分のことは棚にあげて相手に変わってもらうことばかり望んでる“自我”。今まで本当に悪かったな!って思いました。まだまだ変えなければいけないところは沢山あります。でも今は私が信じてやっていることに対して主人はとても寛大です。自分はノーサンキューだけど私のやっていることをとやかく言いません。もし私が妙なことをやってたら、彼は何か言ったと思います。私の生き方はそれでいいよ!って思ってくれてると思います。私たちはお互いに“こうしなければダメだ”はありません。

これを読まれてる人の中にギャッチさんの場合はご主人が良かったからで自分の場合はそうではないから。って思う人もいるかもしれませんが、それは間違えですよ。ご主人を悪くいうのはやめましょうよ。ダメなのはあなた自身なんですから。あなたが変わればご主人も変わってたはずですよ。結婚の理由は何ですか?

私の元友人の話ですが、彼女には結婚相手の条件ありました。それは、ある程度の収入の仕事についていることでした。それに見合った人と結婚をして出産もしました。彼女に“どう?旦那さんとはうまく言ってる?”っと聞くと、“ああ、旦那は給料を運んでくれたらそれでいいから!”って。びっくりしました、でも彼女にとってはそれでよかったのです。彼女の良さ?というか徹底していたのは、他に夫婦で問題があってもそんなことどうでも良くて、旦那さんがちゃんと給料を稼いでくれればそれでいいというところです。例えば同じような状況で結婚した人で、給料を運んで来てくれさえしたらいいと思ってはいたものの、“彼のこんなところが嫌、ここを直して欲しい”と欲が出てきている人もいるのではないでしょうか?

夫婦は人生の半分以上を一緒に生きる相手です。他の誰よりも学べる場所です。なので相手の悪いところだけを見るのではなく、良いところを探しましょうよ。そして自分ばかり楽をするのではなくて、相手にも楽にさせてあげましょうよ。お母さんをやらずに、一対一の男女の夫婦でやりましょうよ。あまりお母さんをしてしまうと、ご主人が学べませんよ。またお母さんをされているご主人も少しは自分でやりましょうよ。自分が相手を選んで結婚した理由を思い出してください。今の悩みはもしかしたらあなたの“結婚の理由・条件”からきているかもしれません。もしどうしても一緒にいれないのなら、離婚だってありですよ。時と場合によっては決して離婚は悪いことではないと思います。でも離婚ができない理由があるのであれば、やるしかないですよね?一つの事がクリアーになったらまた別の事と私たちは欲張りになっていませんか?夫婦はお互いに結婚するまで他人だったわけで、自分と同じものを相手に期待するのは違うと思いますよ。自分はそのままで相手には変わって欲しいとはなんて欲張りさんでしょう?