“藤井美香さんへQ&A"

“人間の役割の話”で生き物の奴隷化を人間がしていると言うような内容を書かせていただきましたが、では人間が地球にやっている事 はどんな事か、人間が地球に対しての役割を 建築士の藤井美香さんに聞いてみました。美香さん、HPに参加してくれてありがとう!

“藤井美香さんへQ&A“

Q:藤井さんは2級建築士の資格を持っていますよね?なぜ建築をやろうと思ったのですか?

A:本当のことをいうと、「二級建築士の資格試験を受けよう」って、幾度も思ってしまったからなんです。からだの奥底から突き上げてくる感じで…。その感覚に従ってしまって、今があります…。

もう少し付け加えると、数年前にある建物の改修工事に関わった期間が3〜4か月ありました。その現場への行き帰りの電車の中で、幾度も「二級建築士を受けませんか」という広告の前に座ってしまったんです。広告なんて数多にあるのに、なぜかその前に毎回座ってしまって…。で、思ってしまったんです。「受けよう…」って。

「え〜なんで〜」とか、「今さら?」とか、自分でも思わなかったわけではありません。その頃50才手前だったんですが、受けなくてもいい言い訳や理由を散々思い付きました。幼馴染たちにも、「俺たち10年後の老後を考えるのに、お前は今からか」とか、「今更苦労しなくてもいいだろう」とか、「合格しても、就職先はあるのか」とか。自分でもそう思いましたし、そういうことを考え始めるとキリがなく、その上、ちょっとでも自分の人生の、その先がどうなるのかを考え始めると、全く想像が付かず、「何をやっているんだ、私は…」と思うと、気が遠くなるばかりでした。それで、途中から、そう考え始めると、脇へ置くようにしました。「今、目の前のことに全力を尽くすっ」と、それこそ1日に何度も自分に言い聞かせる日々でした。

なんせ勉強が猛烈に大変だったので、何度も何度もやってくる“考え”を“脇”へ置くのには事欠きませんでした。凹むたびに、よからぬ“考え”を“脇”へ置き続け、目の前のことに全力を注ぐようにしました。それでも、赤点が続けば続くほど、「こんなことをやってていいのだろうか」と思いましたし、辺りを見渡してみると、20代〜30代のフレッシュな方々が多く、スラスラ問題を解いている姿に気が遠くなるばかりです。「私は、大丈夫だろうか」「何をやっているんだ」っと、思わせてくれることばかりが起こっているようで(そう勝手に思っていたのは実は私なんですが)(笑)、そのたび、そういう“考え”を“脇”へ置き続けました。

そんな日々を経て、今があります。今も、自分が建築に携わらせていただいているのを、発見中です!これまでも仕事はやってきましたが、当たり前なのかもしれませんが、通用しません。最初はそれすら気づきませんでした。指摘されても、我を張って(我を張っていることも無自覚のまま)ついつい慣れ親しんだやり方なので、知らず知らずのうちにやってしまっていました。最初の頃は、グーグル検索もできなかったんです。行き着かない。探せない。さすがにめげました(笑)。

思うと、自分のやり方だけではなくて、きっと心の在り方というか向き方(自分との向き合い方)も大きく関係しているのかもしれませんね。そこがとても大きいです。そして、今でも、“言い訳”や“理由”を脇へ置くことをし続けています!

Q:以前話の中に建物を建てる時に地球さんに優しく杭を打つと言ってましたが、どんなことに注意していますか?

A: 長くて、大きな杭は、特に大型の建物にとっては必要ですから、そういう杭を地球にガンガン打ち付けてはじめて建物は建っていられます。人気の“タワマン”(タワーマンション)はそうですし。かっこいいですよね! 私もそう思います。でも見えないところでは、いろいろな負荷が、いろんな方面にかかっていると思います。

現実的に、地球温暖化のことをあげると建築が与える地球への負荷は、他の分野の中でも大変大きい割合を占めているそうです。いい悪い、ということではなくて、現実には、人の生活には建物が必要で、そういう分野に自分が関わらせていただいている、ということを自覚するようにしています。何ができるかは全く分かりませんが、すべてのことに意識と意志が関わっているとしたら、意識を向けること、自覚をすること、そういうことがとても大切に思えるのんです。

Q:人間としての地球に対する役割を建築士の視線から藤井さんの観じている事をお聞かせください。

A: 建築に関わらせていただくようになってから、壁、天井、床に、生まれてこのかた、当たり前のように守られてきたなと思ったことがあります。実はありがたいことだったんだなと。壁を立てるにも土台が必要だったり、土台を作るには基礎が必要だったり、基礎は土地の上に造られるので、当然のことなのですが、土地、土が必要です。

建物と、人と、地球と、それらすべてがないと、私たちは生きていけないんですね〜。そうですよね〜と、今、打ちながら思いましたが、本当は一体化しているのかもしれません。本当は、すべてが影響し合っているんだと思うんですが、理屈としてではなくて、本質として。目に見えるところだけではなくて、見えないところもすべて。そうすると、自然と、一体化している中で、人の役割とは、建築の役割とは、地球の役割とは、という壮大なクエスチョン(テーマ)のように聞こえますが、そこに行き着きます。でも、それは、壮大なテーマのようで、実はそうではなくて、今、自分が立っている足元なんではないかって、きっとシンプルなことなんではないかって、目の前にあることなんではないかって、今は思います。答えになっているかわかりませんが、そんな日々を送らせていただいてます!ありがとうございました!