“坂敏樹さんの話し” (NEW)

坂さんはニューヨークの有名な美容室で活躍されている日本人の美容師さんです。20年以上に渡ってお付き合いをさせて頂いています。私が前回としさん(呼び名)にカットしてもらった帰りに受付の人がこう言っていました。”スタイリストの中でいつも一定のお客さんが長く続いているのはとしだけよ。彼の技術は凄いし、人間的にも私は好き”。今回は坂さんの 事を文章にしてもらいました。としさん、ありがとうございました!

“坂敏樹さんの話し” (07-09-2020)

 1989年私は日本で10年間美容室に勤めた後、若い頃からの海外でいつか働きたいという夢を実現したくてNYに来ました。

来たと言ってもNYで働く当ては全くなかったのですが、日本にいた当時憧れて行きたかったロンドン、パリには知り合いがいないし、唯一偶々知り合いの友達がNYにいるということで観光ビザが有効の3が月間、NYを拠点にロンドン、パリのヘアーサロンを見学しながらどこかで働く所が見つかればと思いこちらにきたのがきっかけでした。

その後NYで仕事が見つかり30年経ちましたが、NYでの苦労とかは特になかったのですが 

唯一あげるとすれば当時マンハッタンで人気だったフランス人のサロンに運良く面接に受かって夢見たフランスのテクニックをNYで勉強出来るチャンスを得たと言うのに、何年もアシスタントをしなければいけない毎日、オーナーや上の人には調子良く昇進していく他の国の同僚達の理不尽さに悶々と苛立つことしか出来ず生活も投げやりになり自分が凄く情熱を持って好きだった仕事も一層の事辞めたら楽になれるのではと逃げようとしてた数年がキツかった気がします。今思えば自分の描いた理想とのギャップを受け入れられなかっただけの自分の弱さですがお客様に喜んでもらいたい、綺麗にしてあげたいというのが前提の仕事なのに自分のことしか考えず勝手に荒れてた時間は最悪でした。

しかし今回コロナで NYが大変なことになって急に長い間&中には毎週サロンに来てくれていたお客様達とも会えなくなって改めてNYに縁があって仕事が出来ていたからこそ色々な国、人種、宗教、価値観の違う人達に出会えた事が自分の学びであり、それぞれ違いはあっても人を想いやる優しい心持ちは世界共通なんだと沢山のお客様が心配してサロンを通してメールをくださったりして痛感しました.今はサロンもReopenされMaxで仕事が楽しいのでNYが平常を取り戻して1日も早くお客様達に会いたいと願う毎日であります.